ヨガが腸に与える影響
腸内環境が乱れる原因の一部である運動不足やストレス。そこでヨガの登場です。ヨガを習慣にすればこれらが解消されるため、健康な腸に近づくことができます。
運動不足で筋力が低下すると、排便のために必要な腸のぜん動運動がうまく行われなくなり、便秘になってしまいます。ヨガは筋肉、特にインナーマッスルに働きかけることで、腸の動きを活発にすることができます。
ストレスが腸に悪い理由は、ストレスによって自律神経のバランスが乱れてしまうからです。自律神経は、内臓の動きを制御する働きがあります。自律神経には交感神経と副交感神経があります。交感神経は腸の働きを抑え、副交感神経は腸の動きを活発にします。本来1対1であるべきこれらの神経のバランスが崩れると、腸が正常に機能しなくなっています。ヨガでは、ダイナミックなポーズを取ることで交感神経を、深く呼吸することで副交感神経をそれぞれ刺激できるため、自律神経が正常な状態に戻っていきます。
整腸に効果があるヨガポーズ
コブラのポーズ(ブジャンガーサナ)
うつ伏せの状態から腕の力を使い、上半身を持ち上げるポーズです。腕を少しずつ伸ばしながら、体をゆっくり起こしていき、最終的に上半身を少しそらせるようにします。体の前側を大きく伸ばすため、胃や腸に刺激を与えることができます。便秘解消にもたいへん効果が高いポーズです。視線は斜め上を見て、ゆっくり呼吸しましょう。背中を痛めている場合は、このポーズは行わないようにしましょう。
ワニのポーズ(ジャラタパリワルタナアーサナ)
仰向けの状態で腰をねじるポーズです。腸を刺激する力が高いポーズです。ヨガでは体をねじるポーズがいくつかありますが、このポーズは寝たまま行えるため簡単で、リラックス効果も高くなります。脚を伸ばしたまま行うことが難しければ、膝を90度曲げて行いましょう。腰をねじった時に肩が浮いてこないように注意します。
整腸ヨガの注意点
整腸ヨガは、腸に強い刺激を与えるものです。食後2時間ほどは行わないようにしましょう。また、床にじかに寝転がってヨガを行うと、お腹が冷えてしまったり、体を痛めてしまったりします。できればヨガマットの上で、なければカーペットの上などやわらかい場所で行いましょう。今回ご紹介したポーズは寝ポーズなので、寝起きにベッドの上で行ってもいいでしょう。負荷が低めのポーズですが、万が一どこかに痛みや違和感を感じたら、無理をせずポーズを中止しましょう。
ヨガで最も重要なのは呼吸です。ポーズを取ることに集中するあまり呼吸が止まったり、浅くなったりしては、せっかくの効果が半減してしまいます。いつもよりもゆったりと深い呼吸を行うことで、効果も高まり、自律神経のバランスも整います。
終わりに
健康的で美しい体を手に入れるためには、体の内側を磨くことがいちばんの近道です。腸内環境が整うと、体の調子がよくなり、外見までも美しく変化していきます。また、一度腸の調子が整っても、油断するとすぐに元に戻ってしまいます。ぜひヨガを習慣にして、いつまでも元気な腸を保ちましょう。