ヨガとの出会い

中学生の時から、インドの哲学や音楽、美術、ヨガへの憧れが強かったです。
図書館 が世界中に行ける冒険の船のようでした。ヨガのビデオを借りて真似したり、瞑想の本を借りて自己流で座ってみたり。
大人になってからヨガの練習をしたり、インドに行くようになっても、とても自然なことのように感じました。

ヨガの魅力

「Pause」(小休止・間)を作ることだと思います。
それは、忙しい日常の中での時間的な「間」でもあるし、思考と思考の間の「休止」かもしれない。もしくは、自分と、自分を客観的に見る意識との間の「間」でもあります。
アサナでも、プラナヤマでも、瞑想でも、自分にとって心地良い方法で「Pause」を作ってあげると、自然と楽になれる気がします。そして、自分に優しく向き合えるような気がします。
インドにいると、とにかく物事が思った通りに行かないことが多いです。そんな時こそ、ヨガの教えを強く感じます。
とにかく、せわしなく移り行く社会、人々、私の身の回りの全て。だけど大丈夫なんです。どこでも、自分自身の内側はとても静かだから。まるで、泥水の中の蓮の花。ヨガが教えてくれる自分は、蓮の花みたい。だから、とても幸せになります。
自分が穏やかな時、騒がしいインドの都会でも、美しい人々の小さな親切を見つけることが出来ます。人も犬も牛も関係なく、食べ物を分かち合う、壁のない人の心は、とても穏やかに輝いている。そんな時、とても幸せで、感動的です。
どこにでもある、美しさ、穏やかさ、それを見つけられる心は、プレーンな状態に戻してくれるヨガの教えのお陰だと思っています。

女性がヨガを行うメリット

女性は、社会の中で沢山の仮面を被らないと生きにくいと思うんです。
仕事をしていれば会社での顔、結婚していれば妻の顔、母の顔、友人関係にも気を使ったりして。社会の中で生き抜くための顔を作りすぎて、人の事を考えすぎて、本当の自分の気持ちを忘れてしまっている気がします。
女性も社会で活躍することを求められている時代、ますます頑張り過ぎる女性が増えてしまうと思うのですが、だからこそ、自分の内側に向き合う時間が必要だと思います。
どうやったら楽になれるのか、自分に優しくなれるのか、自分を好きになれるのか、沢山の答えがヨガの教えには詰まっているのではないでしょうか。

ヨガを行なって変化したことや効果はありますか?

身体編

アシュタンガヨガの練習を初めてすぐは、体重が急に減ったり、生理が不順になったり、長年の腰痛が急になくなったりと、目に見える身体の変化が激しかったです。
私は住む場所や環境を頻繁に変えるので、その時々に練習内容も変えれば、身体の状態も変わります。その中で身体の変化を敏感に観察するようになりました。
どんな場所でも健康で過ごせるほどコントロールはまだ出来ませんが、毎日が実験みたいで身体の変化も楽しめるようになりました。

心・意識編

どんな環境下でも、感情を客観的に観察する癖がついたことで、心がとても楽になりました。もちろん、感じた感情を無視するわけではなくて、時には湧き上がってきた感情にどっぷりと浸かって味わうこともします。
環境的に苦しい時でも、瞑想や音楽で思考を止める時間を必ず毎日作ることで、ネガティブなものに囚われにくくなりました。

食事編

インドでの生活が続くと、自然とベジタリアンの期間が長くなります。日本のベジタリアン食に比べて種類も豊富で、エネルギッシュな気がします。オイルも多いので、当然太りやすかったり、油断すると胃がもたれてしまいますが、インドとゆう灼熱の土地を生き抜くために風土に合った食事を食べる喜びを感じます。逆に、日本に帰ってきている時はインド料理をほとんど食べません。
風土、季節にあった食事を頂く智慧は、アユールヴェーダの影響が強いです。
先日滞在した宿坊での精進料理がとても美味しくて、日本の、日本にあった食事の智慧の深さに感激しました。

ヨガを始めてから毎日続けていることはありますか?

祈りの時間です。絶対的に穏やかな存在に心を預けると、不思議と安心感に包まれて暖かい気持ちになります。

ヨガを続けていくうえで気をつけることはありますか?

私は哲学が好きなのですが、好きすぎて哲学的な考えに捕らわれ過ぎてしまう事が多々あります。ヨガ的な思考に捕らわれないように...が課題だったりします。

スートラやギーターのように大切にしているオススメの本

「シヴァ・サンヒター」

哲学を知りたい方にはおススメの経典です!

私が個人的に大好きなヨガ・スートラや、ハタヨガ・プラディーピカに比べると、
少しだけマイナーな気がしますね。
だけど、ハタヨガの経典の中では三本の指に入る有名な経典です。

さて、この経典のおススメのポイントは、何と言ってもインドの宇宙観が分かりやすく説明されていることです!
ハタヨガの書物なのに、ヴェーダやウパニシャッドよりも簡潔に哲学が説明されていて、分かりやすい。何より、短くまとめられているので、哲学初心者にも挑戦しやすいです。

シヴァ・サンヒターは、実践的なハタヨガの経典の中では、かなり哲学の部門の説明に重きを置いています。
書かれている哲学は、全てのインド思想の元となるヴェーダの教えです。
私たちが日常で考えている「善い事」「悪い事」とゆう判断基準を見直すきっかけを与えてくれます。「善い」か「悪い」かとジャッジすることで、私たちの日常の多くの時間は支配されています。私たちの気持ちも一喜一憂しています。
その支配から、どうやって自分自身を解放していくかが、インド哲学では大きな課題になります。
哲学を勉強するとゆうことは、自分を解放する術を見つけること。
ヨガを実践することは、解放された自分を体験する事です。

私にシヴァ・サンヒターを勧めてくれた友人は、ヨガを練習する人ではなくて、哲学の愛好家でした。ウパニシャッドなどの書物よりも哲学感が優しく説明されているので、ヨガをしてない人にもおススメです!

著者情報

永井由香さん

・Webサイト
http://ameblo.jp/aiiro-beniiro/