最近ヨガの瞑想の効果についてテレビや雑誌で紹介されることが多くなりましたね。ヨガに興味津々のかたもいっそう増えたようです。ただ、スピリチュアルなにおいが気になってなかなか手がでない方もいるのではないでしょうか?
今回はそんな方に向けて、いくつかヨガを学ぶヒントを紹介したいと思います。

ヨガとスピリチュアル

ヨガクラスのなかには、儀式のようなプラクティスが出てくる場合も多いです。
たとえば、クラスの始まりと最後に「オーム」を唱えたり、クラスのなかで「マントラ」を唱えたりすることもあります。

【ヨガを学ぶヒント】ヨガとスピリチュアルについてのアドバイス

また、ヨガ雑誌などで「チャクラ」「プラーナ」などの独特な言葉が出ることが多いですね。これらはスピリチュアル系やオカルト系のトピックでも頻繁にでてくるキーワードであったりもします。

それでは、やはりヨガはスピリチュアルなのでしょうか?

「ヨガは科学」

インドで活動するヨガ指導者にこの質問をぶつけてみると、次の答えが返ってくることが多いです。

“Yoga is a Science.”

ヨガは科学

本場インドでは、ヨガはスピリチュアルではなく、フィットネスでもなく、学問や教養に近いジャンルと認識されているようです。

ヨガ古典でみるヨガの定義とは

yoga

ヨガ学習者なら誰もが学ぶ「ヨーガ・スートラ」では、ヨガを次のように定義しています。

「ヨーガは心がさまざまな形をとるのを抑制することである」
(スワーミー・ヴィヴェーカーナンダによる翻訳より)

また、ヨガ愛好者だけではなく世界の著名人にも愛されている古典「バガヴァッド・ギーター」には次の一節があります。

「アルジュナよ 義務を忠実に行え。そして 成功と失敗を等しいものと見て あらゆる執着を捨てよ。このような心の平静をヨーガと言うのだ」(「神の詩 バガヴァッド・ギーター」より)

ヨガとは「生きるテクニック」

これらをはじめとするヨガの古典から導かれる「ヨガ」とは「よりよい人生をおくるためのテクニック」です。

ヨガとは

なので、哲学(インド哲学)、医学(アーユルヴェーダ)、心理学(ヨガセラピー)、アート(文学、音楽や美術)、スピリチュアリティ(目に見えないもののこと、霊性)など、生きるために役立つことすべてがヨガにつながります。

ただ、現在の日本や欧米ではスピリチュアルな部分をクローズアップして紹介することが多いため、ビギナーは「ヨガはスピリチュアル」というイメージがもつことが多いのでしょう。

冒頭であげたような「マントラ」「チャクラ」「プラーナ」などスピリチュアルに感じるキーワードは、インド文化を学ぶための重要なコンセプト。
古来からアジア全体や日本の文化にも影響をあたえているので、私たちにとっては比較入りやすいモノです。

ヨガをとおして、欧米や日本の文化とはちがう視点からモノゴトをみつめることによって、日々の暮らしに深みが出てくるのがヨガ学習の楽しいところでもあるのです。

まとめ

以上のことから、ヨガにはスピリチュアルなイメージもあるのですがあまり気にすることはありません。

まずは、フィットネスクラブやカルチャーセンターで様々なヨガクラスを試してみてはいかがでしょうか?
自分がやって「楽しい」「いやされる」「リフレッシュ」できるクラスが見つかったら、インストラクターが所属するヨガスタジオの門をたたいて、本格的なクラスに通うのもいいと思います。

いまは実に多くのヨガ流派が活発に活動しているので、ひとりひとりにフィットしたヨガが見つかりやすい時代です。
自分にあったヨガが見つかりますよう、心からお祈りしています。


参考文献:
スワーミー・ヴィヴェーカーナンダ『ラージャ・ヨーガ』日本ヴェーダンタ協会
神の詩―バガヴァッド・ギーター』田中 嫺玉訳、TAO LAB BOOKS