呼吸による心へのアプローチ
まずは呼吸によって、私たちの心にはどのような働きかけがあるのでしょうか。
姿勢を整えてゆったりとした深い呼吸をすることで、心の乱れを落ち着かせ、緊張感をほぐし、心身ともにリラックスできます。マイナスエネルギーや日常の忙しい日々で抱えているストレスから解放されていきますが、さらに深呼吸を続けることで自然と脈拍もゆったりと打つように変化を感じます。
また、ハタヨガの「カパラバディ呼吸法」のように意識して、早く腹式呼吸をすることで心を活性化することもできます。「カパラバディ」とはサンスクリット語の直訳で頭蓋骨が輝くという意味があり、頭脳を明晰にし集中力が上がるといわれています。
呼吸はゆっくりとすることでリラックス、早めることで頭脳と心も活性化することができ、私たちは呼吸を意識してコントロールすることで心にさまざまなアプローチすることができます。
呼吸による身体へのアプローチ
では、呼吸を意識することによって具体的に身体にはどのように働きかけていくのでしょうか。
まず私たちは深呼吸を意識的にすることで肺の周りにある筋肉、関節を動かし続けることで心肺機能を高めたり、横隔膜やその周りのインナーマッスルを強化します。
心肺機能が強化されると免疫力が向上するなど、身体の機能を改善しやすい状態にできます。ヨガを始めたら風邪を引きにくくなったという声をよく聞くのはこの心肺機能の強化の効果かもしれませんね。ヨガをポーズ中の深い呼吸は体のすみずみまで活性化を促し、健康的な身体をつくっていくことができるようになります。
ヨガを始めたばかりのころは、ポーズ(アーサナ)の形にばかり着目していまいがちですが、徐々に呼吸へと意識をシフトしていきましょう。
ポーズ中、呼吸が止めたり、早くなったりしていたら、意識してしなやかに呼吸の乱れを整えていきましょう。
ヨガが心と身体をつなぐ
ヨガという言葉はサンスクリット語で=つなぐという意味です。心と身体をつなぐことがヨガの意味であり、目的でもあります。
今回のタイトルにある「呼吸が欠かせない理由」というのは、呼吸を意識的に行うことで身体と心がつながっていくというのがヨガの最大の目的のひとつであるからです。
現代の私たちは日常、忙しい日々の中でストレスや精神的なダメージを感じ、睡眠障害や摂食障害などの精神的トラブルやうつになる原因になっていたりします。
心の問題というのは、人によって様々でありはっきりと確定できる理由はありませんが、まずは日ごろのストレスを解消してあげることを習慣にしていきましょう。
また呼吸が与える身体運動によるアプローチによって心肺機能を活性化、強化して、副交感神経に刺激を与えていくことですべての内臓系器官を活発にしていくことができます。内臓系が活発になることで血流がよく、冷えや不眠から解消されていくこともできます。
心と身体をつなぐヨガを少しずつマスターしていくことでいつまでも健やかに美しく、心身ともに健康効果を高めていきましょう。