ヨガを知るための本「テクニック編」にひきつづき、「マインド編」と称して、ヨガを学びたいひとに向けておすすめしたい本を紹介します。
今回も、書店や通信販売で購入できるヨガ本を数冊あつめています。ヨガの学習が進むと「ヨーガ・スートラ」を勧める指導者も多いのですが、今回はあえて外しています。
ヨガを長く続けていただくこと、そして、日々の生活に生かしていただくという視点から、今回は3冊ピックアップしてみました。
教えは深遠ですがその入り口は現代人にとって狭いものではなく、色々なアプローチもあるのが、今のヨガの良いところだと思います。
人間の永遠の探求―パラマハンサ・ヨガナンダ講話集 パラマハンサ ヨガナンダ
映画「永遠のヨギー」で注目されているパラマハンサ・ヨガナンダの講話集です。
「あるヨギの自叙伝」のほうが有名ですが、分量が多いのと、また、日本語版はかなり分厚い本なので読破するのにはなかなか苦労がいります。
この本も装丁はハードカバー、かつ500ページ近い分量で、持ち歩いて気軽に読むのはなかなか厳しいかと思うのですが、ひとつの講演は10~20ページでセクションもこまめに区切られているのでちょっとした時間の合間に読むのにはちょうどいいと思います。また、ヨガの考え方を知るのにおすすめの本です。
文章のなかには宗教的なキーワードが見られますが、
「ヨガは一つの宗派ではなく、神を見いだすためにだれもが利用すべき普遍的科学です」
「ちょうど、電話が西洋で開発されたからといって西洋人だけのものではないように、ヨガも、開発されたのは東洋ですが、全人類が利用すべきものです」
と、ヨガナンダ自身が講演のなかで話しているので、あまり深く考えず気楽に読み進めてみてください。
神の詩―バガヴァッド・ギーター (TAO LAB BOOKS) 田中 嫺玉
日本で「ヨガ」として知られているのは、厳密にいうと「ハタヨガ」といわれる、運動や呼吸をメインとしたヨガです。
しかし、ヨガは身体を動かすだけではなく、日常生活を通して実践できるヨガもあります。カルマヨガ(行いのヨガ、または行動のヨガ)といわれるものです。
「バガヴァッド・ギーター」はインドや東南アジアで人気がある叙事詩「マハーバーラタ」の一節ですが、カルマヨガを学ぶときによく使われる本です。
さまざまな出来事のすえに肉親、親友、恩人と戦争することになって苦悩する王子・アルジュナに対して友人のクリシュナが人生のなかで果たす義務や生きる指針について語ります。
有名なインド古典なのでさまざまな団体が翻訳を出していますし、学者によって翻訳された岩波文庫版もありますが、今回紹介する本は独学で言語を勉強した一人の主婦の翻訳によるものです。
親しみやすい文章スタイルなので、マンガを読むような感覚で読み進めることができます。
Amazonでの評価も星4つ以上なので、ヨガ本としてではなく物語本としてもおすすめできる一冊です。
インド神話入門 (とんぼの本) 長谷川 明
ヨガを続けているうちにインドの神様の名前を見る機会が増えると思います。
「とんぼの本」シリーズはいわゆるビジュアル本で、本書ではインドで信仰されている神様を豊富な画像資料とともに紹介しています。
インド料理店やエスニック雑貨店でよく見かける神様のポスターが数多く載っていて、それぞれの神様にまつわるエピソードが解説されています。またポスターの年代も古いものから新しいものまでが掲載されているので、アート好きな人にも興味深い一冊です。
ヒンドゥーの神様は日本の神様信仰と似たようなところがあって、神様ごとにご利益があります。また、会社によっては日本の神棚のような感覚で小さな祭壇がありますし、車に乗ると交通安全のお守りとして神様のシールやオブジェを見かけることも少なくありません。
ヨガのことはほとんど書かれていませんが、ヒンドゥーの入門書としてヨガの息抜きに読んでみてはいかがでしょうか。
気になる本はありましたでしょうか?今回は以上の3冊をご紹介させて頂きました。
個々で読みやすい本は様々だと思いますが、心にすっと入ってくる本に出会えるといいですね!