なぜ呼吸法を行なうのか?

パタンジャリにより書かれたヨーガ・スートラ第一部門にある、「YOGAS CITTA VRITTI NIRODHAH」ヨーガは心の働きをコントロールすることである。という一節があります。呼吸法は移り変わる心や考えを静め、今の自分に集中する方法のひとつですが、アーサナを行うことでも自然と呼吸をコントロールすることができるようになります。つまり、呼吸法を行うことで快適なアーサナを見つけることが出来るともいえるでしょう。

呼吸法は左右の鼻にある呼吸の流れである通り道を刺激し、神経系に影響を与えていると考えられています。今回は、プラーナと呼ばれる生命の力、エネルギーに影響を与える「呼吸」にフォーカスし、読みながら実践できる調気法のご紹介です。

1.心と身体のバランを保つ ナーディー・ショーダナー片鼻呼吸法

方法

右手親指を右小鼻、薬指を左小鼻にそえます。人差し指、中指が眉間の真ん中あたりに触れるよう、軽く顎を引きます。 左小鼻を薬指でブロックし、右鼻から息を吸います。右小鼻も親指でブロックし、息を保持します。左鼻から息を吐きだし、そのまま左鼻から息を吸います。左小鼻も薬指でブロックし、息を保持します。右鼻から息を吐きだします。これを1回として、何度か繰り返します。

効果

左右のどちらかに偏っている自然な呼吸を調えることで、心身ともにバランスが保たれます。眠れないときや、落ち着かないときに行ってみてください。

2.意識を内側へ向け、至福を味わう ブラーマリー 蜂の音の呼吸法

方法

楽な姿勢で座ります。左右の親指で両耳をブロックします。人差し指、中指、薬指、小指でまぶたを覆います。そのままハミング音をたてるように両鼻で息を吐きだします。次に深く吸い、息を保持します。眉間の真ん中あたりに集中し、お花を自由に飛び回る蜂をイメージしてみましょう。繰り返します。

効果

ハミング音の響きが身体中を巡ることで集中し、より瞑想に近い状態へと導く呼吸法です。その結果、リラックスした内側からの至福を味わうことができるでしょう。

3.穏やかで安定した感情に導く シータリー 冷却呼吸法

方法

楽な姿勢で座ります。舌を唇の外に伸ばし、ストローのように丸めます。舌で作ったストローを息を通すように吸います。唇を閉じ、息を保持します。鼻から息を吐きます。これを繰り返します。

効果

舌で感じ効果るひんやりとした息により、すっきりとした気持ちへと導く呼吸法です。高ぶった感情を沈めたり、身体を涼しくする

4.自由と解放を味わう ウジャイー 勝利の呼吸法

方法

楽な姿勢で座り、柔らかな自然な鼻呼吸を繰り返します。次に、喉で音を立てるように吐く息、吸う息を行うと喉を少し引き締めるような感覚があります。そのまま繰り返します。自然とお腹の収縮を感じる感覚もあります。

効果

自然と呼吸がゆっくりとしてくるようになり、あふれ出る思考から解放され自由で穏やかな意識に包まれる感覚へと引き入るでしょう。

5.落ち着きと集中力を築く バストリカー ふいご呼吸法

方法

しっかりと安定した座法で座ります。右手親指で右小鼻をブロックし、左鼻で数回息を吐いたり吸ったりします。おなかを吸うときに膨らませ、吐くときには縮ませポンプのように動かします。そのまま左鼻から深く息を吸い、左小鼻も薬指、小指でブロックし息を保持します。左鼻から息を吐きます。同様に右鼻と両鼻でも行います。

効果

力強い呼効果吸により身体に熱を生み出します。お腹をリズミカルに使うことで、腹筋の強化や内臓への刺激に

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ヨーガを始める人のために

おわりに

ヨガの練習にプラーナーヤーマーをプラスして、より深い気づきと至福を味わう。

呼吸法を身近なものとして知ることで、ご自身のヨガの時間に新しいエッセンスが加わることと思います。体調や状況に合わせて、実践してみてくださいね。

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Ai
シンギングボウルを奏でるヨガインストラクター。都内お寺を中心に活動中。2017年よりインドを中心に期限のない旅に出発。