d59dff640215c1ad7ef1a29c6a69592e

シールシャ・アーサナ(ヘッドスタンド)は別名王様のポーズと呼ばれすべてのポーズの主とされています。
その効果を著者:BKSアイアンガー氏のligth on yogaから記したいと思います。

ヨガの古典によれば、シールシャアサナはすべてのアーサナの主であるとされており、実践するとその意味がよくわかる。
子供が生まれるとき、通常まず頭が出、次に四肢が出る。
神経組織および感覚器をコントロールする頭脳は、頭蓋骨の中にある。
頭脳は、知性・知識・認識力・知恵および力の座である。
すなわちそれはブラフマン、魂の座である。
よき王および法制上の司政者なしでは国が栄えないように、人間の身体の場合も、健全な頭脳なしでは自己の能力を十分に発揮できない。
『バガヴァッド・ギーター』は次のように述べている。
「調和(サットヴァ)・可動性(ラジャス)・おさえる性質(タマス)のような性格は、生まれながらの性格である。それは生まれ出ずると体内で固まる。それは偉大な武装者であり、体内の不滅の住人である。」

これらの性格は頭脳から生じており、人によりある性格が他の性格より強い。
頭部は識別力を司るサットヴァの中心点であり、上体は情熱・感情・行動を司るラジャスの性質の中心点であり、肋骨より下の部分は飲食の喜び、スリル及びセックスの喜びのような感情的喜びを司る、タマスの中心点である。

シールシャアサナを継続して行うと、健康になり、脳細胞の血行もよくなる。
このポーズは心身を若返らせ、思考能力も向上し、頭脳が明晰になる。とくに頭の疲れに速効的効果がある。
また我々の成長および健康活力の維持と密接な関係のある脳下垂体および松果腺の血行をよくする。
このポーズを正しく行い、継続していくと、不眠症・記憶力、活力減退に悩む人に効果的であり、活力も増加する。
脚も強化され、いかなる気候にも左右されなくなり、いかなる仕事にも耐えうるようになる。
また風邪・咳・扁桃腺・口臭・動機等の予防に役立つ。
このポーズは身体を暖かく保つのに役立ち、サルワンガアサナ(肩立ちのポーズ)をあわせて行うと、便秘にはきわだった効果がある。
このポーズを継続して行うと、血液の中へのモグロビンの働きが高まる。
低血圧および高血圧に悩む人は、シールシャアサナおよびサルワンガアサナからはじめないほうがよい。
シールシャアサナを継続して正しく行うと、身体も発達し、心も強化され、精神性を広げる。
また苦しみ・喜び・損得・名誉・勝利・敗北等にとらわれなくなり。自立心ができる。