ヨガジャーナル日本版が実施した2017年2月の調査によると、日本国内で1ヶ月に1回以上ヨガを実践している人は約590万人と推計されるそうです。およそ20人に1人が行っているということになります。
近年のヨガ人気に比例して、インストラクターの養成講座から資格を取得する人も増加してきています。
そこで、今回は取得費用・期間・ポイントなどヨガインストラクターになるために必要なことから働き方のイメージまでまとめてみました。
ヨガインストラクターになるために必要なこと
ヨガインストラクターになるためには、必ずヨガの資格が必要か、というと実はそうではありません。国家資格などはなく、誰でも教えることはできます。また、年齢制限もありません。男女関わらずインストラクターはいます。
しかし、せっかく教えるのならば、ヨガの知識は欠かせません。多くのヨガインストラクターはインストラクター養成講座に通い、資格を取った後、インストラクターとして活動しています。ヨガスタジオなどで教える場合には、採用の際に所有資格や指導歴が採用条件になっていることも多いです。
また、せっかく教えるのならば、資格だけにこだわるのでなく、ヨガが好きであることや資格取得後もヨガについて自己研鑽していくことも必要になります。
スクール・養成講座を選ぶポイントは?
大手のヨガスタジオはヨガのクラスだけでなく、指導者養成講座を開講しインストラクター養成にも力を入れています。
増えつつある養成講座。では、どのスクールを選べばよいでしょうか?
以下、指導者養成講座の選び方のポイントについてまとめてみました。
1.養成講座のスケジュール
養成講座はスクールによって期間や費用が異なります。まずは、どのようなスタイルがご自身に合っているか、調べてみましょう。
・仕事をしながら資格を取得したい
土日に開講している講座を選びましょう。また、スクールによっては振替制度があるところもあります。
・大手ヨガスタジオで契約し研修を受ける
大手ヨガスタジオではインストラクター不足から、独自に自社事業として研修を行いインストラクターを養成している場合もあります。すぐにインストラクターとして活躍したい、という場合にはよいでしょう。
・通うのは少し難しい
オンラインで資格を取れるものもあります。
・海外でヨガインストラクターの資格を取る
ヨガの本場インドやハワイ、オーストラリアなどでもインストラクターの資格は取得可能です。この場合、短期間で資格を得ることができます。
2.学びたい先生に学ぶ
ヨガ界で有名な先生は、独自に養成講座を設けている場合があります。もし、学びたい先生がいる場合は、その先生の開設している養成講座に参加し資格を取るとよいでしょう。先生によっては、ヨガを教えるスタイルも違います。ご自身のヨガに合った先生を選ぶことが大切です。中には、その先生から学びたい、と遠くから養成講座に通う人も少なくありません。
3.通いやすい場所であるかどうか
まずインストラクターになるには、通常コースでは約半年以上資格取得のための期間がかかります。養成講座によっては、講義だけでなくそのスクールのヨガレッスンに参加することが資格取得のノルマになっている場合もあります。その場合は、自宅から通いやすい場所であるかどうかも選ぶポイントの一つです。
4.どんな資格が取りたいか
ヨガインストラクターの資格にも様々な種類があります。日本で取得可能な資格の一つに、全米ヨガアライアンスというものがあります。
この資格は、80年代にアメリカで設立された世界最大規模のヨガ協会が認定した養成スクールで取得することができます。RYT200とも呼ばれ、この資格を取得するためには200時間のトレーニングを受講することが必要です。この資格を持つことは、ヨガに関するある程度の知識や技術を持っているということを示す証にもなります。全米ヨガアライアンスの認定スクールは日本でもまだ多くはないので、もし、取得したい場合は、認定されたスクールを探してみましょう。
この資格以外にも、独自にヨガインストラクターの資格を発行している機関もあります。講座内容や費用、期間はそれぞれ異なりますので、受講の際には内容などを吟味してから申し込んでみましょう。
また、近年、一般的なヨガの資格だけでなく、特定のヨガに特化した資格もあります。以下、例を挙げてみました。
- ・シニアヨガ
- ・キッズヨガ
- ・マタニティヨガ
- ・顔(フェイシャル)ヨガ
- ・リストラティブヨガ
- ・陰ヨガ
- ・ヨガニードラ
この場合は、ご自身がどのような方を対象に、どんなヨガを教えたいのか、を考えて受講してみてはいかがでしょうか。
指導者養成講座の費用、期間
ヨガインストラクターの資格が様々な種類に分かれているように、それにかかる費用や期間も異なります。
ここでは、大手インストラクター養成講座を例にみてみましょう。
YMC
ヨガインストラクター2級 298,000円(教材費込)108時間
全米ヨガアライアンス 548,000円(教材費込)218時間
(ハワイ)全米ヨガアライアンス 594,000円 約4週間
※2017年5月3日時点の情報となります。詳細はサイトをご参照ください。
http://www.ymc-school.com/course/yoga/
スタジオヨギー
430,500円(税込464,940円)
※早期割引価格:387,500円(税込 418,500円)200時間
※2017年5月3日時点の情報となります。詳細はサイトをご参照ください。
ホットヨガスタジオLAVA
ホットヨガスタジオLAVAでインストラクターとして研修を受けながら働き資格を取得することもできます。
http://recruit.yoga-lava.com/work/training/ryt200/?gclid=CP6n9riNztMCFUoFKgodIjMHWA
養成講座内容(学ぶこと)
実際に養成講座ではどのようなことを学ぶのでしょうか?
講座やスクールにより、内容は異なりますが、多くの講座で共通する内容を以下に挙げてみました。
座学
- ・ヨガの歴史やヨガ哲学
- ・解剖学(筋肉の動きや骨のしくみなど)
- ・呼吸法や瞑想(呼吸法やその誘導の仕方)
- ・アーサナ読解(各アーサナについて技法や効果を詳しく学ぶ)
- ・プログラミング(ヨガの1レッスンの流れやアーサナを考える)
- ・誘導の仕方(レッスン中にすべきことや言葉選び、誘導方法を学ぶ)
実技
・アーサナ練習
・誘導の練習(ペアなどで互いに生徒役になり練習)
人気のインストラクターになるためには、ヨガの知識や歴史、アーサナに関する技能はもちろんのこと、実はその人柄もとっても大切です。養成講座では、生徒と親しみをもって関わることや、より分かりやすく教えるにはどうすればよいか、などについても学んでいきます。
ヨガインストラクターの資格を取得してからどこで働く?
さて、いざ資格を取得!どうやって活動しますか?その方法と、メリットデメリットをまとめてみました。
ヨガスタジオやスポーツクラブで働く
各スタジオの求人情報を見てみましょう。また、この場合、労働形態は大きく二種類に分けられます。
1.正社員として働く(レッスン以外にもスクールの広報活動や事務的な仕事も含まれる)
2.フリーランスとして働く
また、近年では市民講座としてヨガ講座を開講する市町村や学校も増えてきました。中には卒業したスクールが採用してくれる場合もあります。
メリット:自分で生徒を探さなくてもよい。定期的にクラスを持つことができる。
デメリット:給与が1レッスン3千円~5千円前後な場合が多い。(交通費がレッスン費に含まれる場合もある)採用に指導歴が見られることもある。
貸スタジオでヨガクラスを自主開催
1時間数千円で借りられるフリースペースや貸スタジオで独自にイベントを開く方法
メリット:参加者数に応じて手取りが増える。単発で開催できる。
デメリット:自分で参加者を募集しなければならない。レンタル料がかかるため、集まらないと時に赤字になる。マットを貸す場合、購入費やそれを運ぶ必要がある。
自宅でヨガを開催
自宅のスペースを利用、もしくは自分でスタジオ経営
メリット:場所代がかからない(スタジオ経営は別)。手軽に開催でき、赤字にならない
デメリット:自宅にある程度のスペースが必要。大きさや生徒数が限られる
その他ヨガイベントを企画する
ほかにも自主的に以下のようなヨガイベントを企画するインストラクターもいます。
少しのスペースでできるのもヨガの良いところ。教える場所がないからと悩まず、工夫次第ではさまざまなイベントをつくることができます!
- ・公園でパークヨガ
- ・お寺の本堂を借りてお寺ヨガ
- ・カフェのスペースを借りてチェアヨガ
- ・企業のお昼休みに出張ヨガ
インストラクターになることが目的じゃなくてもいい
インストラクター養成講座についてまとめてきましたが、実は養成講座に参加するすべての人がインストラクターになることを希望しているかというと、そうではありません。なかには、ヨガの知識や学びを深めたい。特定の先生から学びたい、という理由で養成講座を受ける人もいます。また、養成講座は通常のヨガレッスンと違い、ともにヨガを学ぶ「仲間」も得ることができます。長い時間講座を受け、時にはペアレッスンやデモンストレーションをするので、ヨガ仲間を増やすにも良い機会。大人になっても、同じ目標や目的の仲間と知り合えるのはとても楽しいものです!インストラクターになる、ならない、に限らずヨガについてより学びを深めたい、という方にも実は養成講座はオススメなのです。
終わりに
さて、ヨガインストラクターになるためには、についてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか?ヨガインストラクターの資格は、全国各地、また海外でも取得可能です。養成講座は費用も時間もかかるため、通うのに迷う方も多いと思います。しかしながら、学びたい、と思った時が一番のタイミングです。
ヨガをするだけでなく、より学びを深めたい方、インストラクターになりたい方は一度検討してみてはいかがでしょうか。きっとヨガについての新たな世界が開けてきますよ!
出典元:
日本のヨガマーケット調査2017
YMC
スタジオヨギー
ホットヨガスタジオLAVA
ヨガと旅をこよなく愛するフリーヨガインストラクター。
実家のお寺でヨガイベントを開催。その他都内のゲストハウスを中心にヨガを教えている。