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off the mat – ヨガ八支則を意識してみよう

ヨガの八支則

ヨガにゴールってあるの?

「ヨガって何が目標なの?」と聞かれて返事に困ったことはありませんか?もちろん、その答えは人それぞれですが、基本的には本来の自分に帰ることがヨガのゴールとされています。このゴールは「三昧」と呼ばれ、ヨガの古典には「八支則」という、ヨガを深め三昧の段階に至るまでの8ステップが記されています。

八支則ってどんなもの?

ヨガと言えば、アーサナを思い浮かべがちですが、もともとは本来の自分へ帰るための手法のことを意味していました。ですので、日常=off the matでもヨガを行うことができるのです。日常を含めた生活の全てで自分を調和が取れた状態に導くための指針が、八支則になります。約2,500年前にパタンジャリという人がヨガに関する書物「ヨーガストラ」を執筆しました。この中に八支則が記されており、ヨガを深めるステップが八段階に分けて書いてあるのです。まずは外側(体)の練習で自分自身を浄化し、その次に内側(心)を浄化し、最後に「三昧(ざんまい)」と呼ばれる瞑想、悟り、幸福の状態に至るという流れになっています。

ヤマ・ニヤマ

八支則1つめのヤマ(禁戒)、2つめのニヤマ(勧戒)は日常生活の心得が記されています。ヤマ、ニヤマの内容を簡単にまとめました。

1.ヤマ

・アヒムサ(Ahimsa)/非暴力。他人と自分に暴力をふるわない。
・サティヤ(Satya)/正直。自分の心、行動において誠実であること。
・アスティヤ(Asteya)/不盗。他人の時間、物、信頼などを奪わない。
・ブラフマチャリヤ(Brahmacharya)/禁欲。性のエネルギーを無駄遣いしない。
・アパリグラハ(Aparigraha)/不貪。欲望に身を任せず、足るを知る。

2.ニヤマ

・シャウチャ(Saucha)/清浄。自分の身体と心をいつもきれいに。
・サントーシャ(Santosha)/知足。自分にあるものの価値を認め、満足する。
・タパス(Tapas)/自制。苦しい状況を受け入れ、成長につなげる。
・スヴァディアーヤ(Svadhyaya)/学習。外の知識を学び、成長すること。
・イーシュワラ・プラニダーナ(Ishvarapranidhana)/信仰。すべてのものに感謝の気持ちを持つ。

アーサナ・プラーマーヤナ・ ラーティヤハーラ

ヤマ、ニヤマを実践できるようになって、やっとアーサナのステップとなります。もともと八支則は、前のステップが終わらない限りは次のステップには進めないという厳しいものだったそうです。八支則の3~5番目は実際に動いていく、普段のヨガのレッスンに近いものです。

3.アーサナ(Asana)/坐法
みんなが思う「ヨガ」の部分です。もともとは単なるポーズではなく、瞑想を深めるための姿勢のことなのです。

4.プラーナヤーマ(Pranayama)/呼吸法
呼吸をコントロールしていきます。「プラーナ」は生命エネルギーのことで、呼吸をコントロールすることで、体内の見えないエネルギーを調整します。

  1. プラーティヤハーラ(Pratyahara)/制感。
    感覚を繊細に感じ取ります。普段は外に向いている五感を、自分の内側に向けていきます。自分を常に冷静、客観視することを心がけます。

ダーラナー・ディヤーナ・サマーディ

次はいよいよ精神のステップに入っていきます。心の状態だけで3つの段階があることからも、いかにヨガで精神性が大切にされてきたかが分かりますね。この3つの段階は、あまり区切りがつけられるものではなく、少しずつ瞑想が深まっていくイメージになります。

6. ダーラナ(Dharana)/集中・精神統一
意識を特定の対象物に長時間留めることができるようになります。感覚が一点に集中し、周りのものが気にならなくなります。

7. ディアナ(Dhyana)/瞑想
落ち着きのある静かな心の状態をキープします。プラティヤハーラ(感覚制御)とダーラナ(集中)が深まることで、無理なく意識が一方向に集中します。

8. サマーディ(Samadhi)/三昧
ヨガのゴールとされている段階です「悟り」「梵我一如」とも言われます。瞑想がさらに深まり、自分と他の分け隔てがなくなくなっていきます。

少しずつ、八支則を意識してみよう

はるか昔に作られたものなのに、現代の生活に活かせそうなヒントが詰まってた八支則。いかがでしたか?今の生活やヨガで実践するのは簡単なことではありませし、必ず三昧をゴールにする必要はありませんが、少しずつ毎日の暮らしの中で八支則を意識するようにしてみましょう。ヨガライフがまた一段と深まるはずです。

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