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プラーナーヤーマ「繊細な感覚への例え話」

からだの中のあらゆるものに、原動力を供給し、調整するプラーナーヤーマにこんな例え話があります。


あるとき、ある大王につかえている大臣がいました。

彼は王の不興をこうむりました。

王は罰として彼を非常に高い塔のいただきに閉じこめるよう命じました。

大臣はそこで、死ぬことを待つことになりました。

しかし、彼は忠実な妻をもっており、彼女が夜、塔の下にきて夫を呼び、たすける方法をたずねました。

彼は彼女に、つぎの夜、1本の長いロープと、丈夫なより糸と、荷造り用の糸と、絹糸と、一匹のカブト虫と、そして少しばかりの蜂蜜とを持ってこい、と命じました。

たいそう不思議に思いながら、善良な妻は夫の命じるままに、これらの品を持って塔の下にきました。

夫は彼女に、カブト虫に絹糸のはしをしっかりと結びつけ、それのつのに一滴の蜂蜜をぬりつけ、それを塔のかべにそって上をむけてはなせと命じました。

彼女はこれらのすべての指示に従い、カブト虫は長い旅に出発しました。

それは蜂蜜のにおいをおってひたすらのぼりつづけ、ついに塔のいただきに達しました。

大臣はそれを捉え、絹糸のはしを手にしました。

彼は妻に、糸の別のはしを荷造り糸に結びつけるよう命じ、それをひきあげて手にすると、つよいより糸で、つぎにロープで同じ動作をくりかえさせ、ついにロープのはしを手にしました。

そのあとは楽なものでした。

大臣はロープをつたって下におり、逃亡しました。

 

われわれのカラダの中で、呼吸運動は「絹糸」です。

それをつかみ、それを制御する方法を学ぶことによって、われわれは神経の流れという荷造り糸をつかみ、これからわれわれの思いという、丈夫な糸をそして最後にプラーナというロープをつかみます。

それを制御することによって、われわれは自由を得るのです。

 

粗大な知覚から。

呼吸とともに少しずつカラダの中を感じましょう。知覚しましょう。

ココロとカラダを動かしている繊細な力を学び、コントロールしましょう。

プラーナーヤーマ、プラーナの抑制をはじめましょう。

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