ヨガポーズから今はヨガ哲学の虜に

ヨガポーズが好きで始めたヨガですが、今では、ヨガ哲学の方に虜になっています。

初めは、ヨガは健康のためにするものだと思っていました。でも、ヨガ哲学を学び、健康というのは、あくまでもヨガの副産物であり、そもそもヨガというのは、「マインド（思考）を自身でコントロールできるようにするためのテクニックなのだ」ということを知りました。

「マインドを自身でコントロールする」というのは、どういうことでしょうか？

マインド（思考）というのは、放っておくと、次から次へと頭の中で勝手に沸き起こっては消えていきます。また、思考は単発的でランダムです。つまり、前に発生した思考と、その次の思考との間には全く関連性が無いことが多いのです。

そして、次から次へと沸き起こる思考を客観的に眺めてみると、繰り返されるパターンに気づかされます。このようなことがあると、必ずこのような思考が沸き起こり、やがてこのような気持ちになる。毎度、毎度、似たようなことがあると、同じ思考パターンに陥り、やがて同じような感情に陥る。

そして、更には、私たちは、その思考パターンを、自分だと勘違いしてしまうのです。

「自分は人見知りだ」「自分は人前で話すのが苦手だ」「自分は短気だ」「自分は、恥ずかしがり屋だ」「自分は人づき合いが苦手だ」などなど。

でも、自分＝マインド（思考）では、無いのですよね。マインド（思考）は、私たちが使えるツールなのです。

更にヨガの目的を見ていくと、「たましいの成長を図る」というのがあります。

ヨガでは、輪廻転生の考えがあります。たましいは、輪廻転生を経て、そのレベルをどんどん上げていく、という考えです。

鉱物から、植物へ。植物から動物へ。動物から人間へ。人間の中にも様々なたましいのレベルがあるのですが、より高いレベルへと上げていく。マザー・テレサ、マハトマ・カンジーのように。そして、人間からより高いレベルへと上げていく。

本来は、輪廻転生を経て、つまり、何度も生まれ変わることで、たましいのレベルを上げていくのですが、ヨガは、このプロセスを一生の内で可能としてくれる技術なのです。たましいの成長をスピードアップさせるための技術。

たましいの成長を図るためには、私たちはカルマをクリアしていかなくてはなりません。人生における課題をクリアしていく必要があります。でも、クリアするためには、それが何であるのか気づかなくてはなりません。それがライフパーパスです。

私たちは、それぞれ、ライフパーパスや才能を持って生まれてきています。でも、それらに一生気づかずに、人生を終えてしまう場合も少なくないそうです。では、なぜ気づかないのでしょうか？それは、マインド（思考）がジャマをするからなのです。

ヨガには、人は、肉体だけではなく、5つの鞘でできているという考えがあります。人の中心には、自分の本質（歓喜鞘）があり、そのまわりに知識鞘、マインド鞘、エネルギー鞘、一番外側に肉体（食物鞘）と、計5つの鞘があるという考えです。

自分の歓喜鞘にさえアクセスすれば、そこには、自分の才能、ライフパーパスがあるのですが、そこを覗き込もうとしても、マインド鞘にジャマをされてしまうのです。マインド鞘に無数にある思考によるザワザワは、まるで、澄んだ池に投げ込まれた無数の小石と同じです。小石の波紋により池の底がまるで見えないのと同様に、無数の思考によって自分自身の本質が見えなくなっているのです。

私の師匠は、「マインドは、鏡についたホコリと同じである」と言います。いくら自分（本質）を覗き込もうとしても、鏡にホコリが積もっていたら、見えません。
「ヨガとは、鏡のホコリを取り除くための技術だ」と、私の師匠は言います。

ヨガポーズも、マインド（思考）を自分でコントロールできるようになるためのヨガ技術の一つです。ヤマ・ニヤマなどの行動指針も、そのためのヨガ技術の一つです。古代インドの聖人パタンジャリによるとヨガはポーズやヤマ・ニヤマ含む8つの技術（支則）からなっていて、そのどれを行っても良いということになっています。どれか一つを始めると、自ずと残りの7つもついてくる、と。

「ヨガを初めてから、次々と人生が展開し始めた！」という声を、いつも聞きます。私の師匠にそのことを言うと、「ヨガとは、そうであるべきなのだよ」と言います。

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