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ヨガと整腸の関係

ヨガと整腸

食の欧米化やデスクワークの増加などの環境の変化で、現代人の腸は健康な状態を保つことが難しくなってきています。便秘に悩まされている人も多いかもしれませんね。目に見えない器官なだけに意識しづらいですが、腸内環境の悪化は、免疫力の低下や肌荒れなど、体全体に悪影響を及ぼします。健康な生活を送るためには、腸を動かし、腸の健康が必要不可欠です。ヨガで腸の調子を整える方法をご紹介します。

腸の調子が悪くなる原因は◯◯

腸内細菌は、善玉菌と悪玉菌、日和見菌の3種類に大きく分けられます。健康な腸では、善玉菌の割合が15~20%で悪玉菌が10%と、わずかに善玉菌の方が多い状態です。(理想は善玉菌が30%、悪玉菌が10%、日和見菌が50~60%という割合*1)残りの70~75%を占める日和見菌は、善玉菌と悪玉菌のどちらか割合が多い方の味方をします。正常な状態の腸であれば、日和見菌は善玉菌の働きを手伝い、病原菌の感染を防いでくれます。しかし腸内環境が乱れて悪玉菌が優勢になると、日和見菌が病原菌となってしまうのです。すると、腸の調子がどんどん悪くなってしまいます。
腸内環境が乱れる原因は便秘です。食べカスが、腸内に長期間止まることで腐敗し、悪玉菌がどんどん増えてしまいます。便秘の原因は食物繊維不足や運動不足、ストレスなので、これらを解消できれば結果的に腸内環境も整ってきます。

*1出典:フジッコ株式会社
http://cremoris.fujicco.co.jp/good_bacterium/kind/

腸の調子を簡単チェック

腸内のバランスが大きく崩れると、便秘や肌荒れなどの症状となって現れます。症状が出てからはじめて対処すると、腸内環境を正常に戻すのに時間がかかってしまうため、腸の状態を常にチェックすることが大切です。ここでは、腸の調子を簡単にチェックできる方法をご紹介します。
四つん這いになって、どちらか一方の手の甲を地面につけ、指を自分側に向けます。もう片方の手で上から押さえ、体をゆっくり後ろに引いてください。手首に痛みを感じたら、腸が弱っているサインです。手首は直腸の反射区のため、腸の調子が悪いと手首に痛みを感じるのです。

続いて、次ページはヨガが腸に与える影響を考えていきます。

ヨガが腸に与える影響

腸内環境が乱れる原因の一部である運動不足やストレス。そこでヨガの登場です。ヨガを習慣にすればこれらが解消されるため、健康な腸に近づくことができます。
運動不足で筋力が低下すると、排便のために必要な腸のぜん動運動がうまく行われなくなり、便秘になってしまいます。ヨガは筋肉、特にインナーマッスルに働きかけることで、腸の動きを活発にすることができます。
ストレスが腸に悪い理由は、ストレスによって自律神経のバランスが乱れてしまうからです。自律神経は、内臓の動きを制御する働きがあります。自律神経には交感神経と副交感神経があります。交感神経は腸の働きを抑え、副交感神経は腸の動きを活発にします。本来1対1であるべきこれらの神経のバランスが崩れると、腸が正常に機能しなくなっています。ヨガでは、ダイナミックなポーズを取ることで交感神経を、深く呼吸することで副交感神経をそれぞれ刺激できるため、自律神経が正常な状態に戻っていきます。

整腸に効果があるヨガポーズ

コブラのポーズ(ブジャンガーサナ)

うつ伏せの状態から腕の力を使い、上半身を持ち上げるポーズです。腕を少しずつ伸ばしながら、体をゆっくり起こしていき、最終的に上半身を少しそらせるようにします。体の前側を大きく伸ばすため、胃や腸に刺激を与えることができます。便秘解消にもたいへん効果が高いポーズです。視線は斜め上を見て、ゆっくり呼吸しましょう。背中を痛めている場合は、このポーズは行わないようにしましょう。

ワニのポーズ(ジャラタパリワルタナアーサナ)

仰向けの状態で腰をねじるポーズです。腸を刺激する力が高いポーズです。ヨガでは体をねじるポーズがいくつかありますが、このポーズは寝たまま行えるため簡単で、リラックス効果も高くなります。脚を伸ばしたまま行うことが難しければ、膝を90度曲げて行いましょう。腰をねじった時に肩が浮いてこないように注意します。

整腸ヨガの注意点

整腸ヨガは、腸に強い刺激を与えるものです。食後2時間ほどは行わないようにしましょう。また、床にじかに寝転がってヨガを行うと、お腹が冷えてしまったり、体を痛めてしまったりします。できればヨガマットの上で、なければカーペットの上などやわらかい場所で行いましょう。今回ご紹介したポーズは寝ポーズなので、寝起きにベッドの上で行ってもいいでしょう。負荷が低めのポーズですが、万が一どこかに痛みや違和感を感じたら、無理をせずポーズを中止しましょう。
ヨガで最も重要なのは呼吸です。ポーズを取ることに集中するあまり呼吸が止まったり、浅くなったりしては、せっかくの効果が半減してしまいます。いつもよりもゆったりと深い呼吸を行うことで、効果も高まり、自律神経のバランスも整います。

終わりに

健康的で美しい体を手に入れるためには、体の内側を磨くことがいちばんの近道です。腸内環境が整うと、体の調子がよくなり、外見までも美しく変化していきます。また、一度腸の調子が整っても、油断するとすぐに元に戻ってしまいます。ぜひヨガを習慣にして、いつまでも元気な腸を保ちましょう。

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